大名茶人として知られる古田織部(ふるたおりべ/1544〜1615)の指導によって作られた茶器や食器らを原点とする。美濃(現岐阜県)が中心地。加藤唐九郎(人間国宝=のちに取り消し/1898〜1985)ほか、後世の陶工、美術関係者に多大な影響を与えたことでも知られ、緑色の釉薬(青織部)や、沓茶碗(くつかけちゃわん)に代表される極端に歪んだデザインなど、日本美術史の画期であった桃山時代の気風を陶器へ持ち込んだ。織部の茶会で沓茶碗に初めて接した博多商人が「へうげもの」(ひょうきんなもの)と記し評したことも有名。なお
「美の壺 織部焼」(NHK教育)のホームページでは、この焼き物の特色をわかりやすく解説している。