細川護熙(ほそかわ・もりひろ)氏は、今や陶芸界のスターと言っていいだろう。あるいは「アイドル」か?
いまさらこの人の経歴をなぞる必要もないが、内閣総理大臣まで務めた細川家のお殿様は、我が国のリーダーとしての重責をさっさと辞めてしまって、気がつけば湯河原で作陶や作画の日々。武家の名門の出身という輝かしいレッテルに世捨て人的な活動がブレンドされて、この方の存在をメディアが放っておくわけがない。いくつもの細川本がこれまで出ているし、今年(2010年)は、東京国立博物館平成館で「特別展 細川家の至宝 珠玉の永青文庫コレクション」が開催され、これにリンクするように、銀座のメゾンエルメスでも「細川護熙展」が開催されている(このほか、数日間だったが日本橋・壺中居でも同名の展示会があった=6月1日〜5日)。
はたして陶芸家(あるいは画家)としての細川氏が、たとえば川喜田半泥子のような存在であるのか否か。ギンザの、かのエルメスのギャラリーで、メディアの「権威付け」に惑わされることなくじっくりと判断してみるのもいいだろう。無料ですしね。
(文・TADASHI)
「市井の山居 細川護熙展」
*今回のギャラリーを、「茶の湯」で云うところの「外露地」、「内露地」、「草庵」と把え、お客様をお茶にお招きしたような感じで、作品を見ていただこうと考えました。(パンフレットから抜粋)
*小井戸や楽などの茶碗、書画、油絵、絵皿などを展示。茶室「亜美庵杜」(アンビアント=フランス語で、また会いましょう、の意)の設計は藤森照信氏が担当。
2010年4月22日〜7月19日まで
メゾンエルメス8Fフォーラムで開催中
月〜土曜 11:00〜20:00 (入場は19:30まで)
日曜 11:00〜19:00(入場は18:30まで)
入場無料
会場:中央区銀座5-4-1 TEL: 03-3569-3300
オフィシャル・サイト:
http://lesailes.hermes.com/jp/jp/392-GINZA